港南台バーズ

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3Fバーズダイニングは22時まで営業しております。

港南台バーズについて

お客様エッセイ

平成8年「港南台バーズ 第1期開業20周年」記念に募集いたしましたお客様エッセイの最優秀作品をご紹介させていただきます。

第1期開業20周年記念エッセイ最優秀賞

「わたしと港南台」
港南区 港南台 小方 理恵(主婦)

「本当に、こんな所に引越して来るのか。昭和49年10月、港南台駅の改札に立ってそう思ったことを幼い記憶ながら、しかし、はっきりと私は覚えている。見渡す限り何もなく、遠くの方に建物がぽつんと見えた。
まだ舗装工事中の道は、アスファルトの部分と砂利の部分があり、前日に降った雨のせいで泥水が溜まっていた。
お気に入りの赤い靴が汚れてしまい、初めて降りたこの土地にあまりよい印象はなかった。

引っ越してからしばらくして、昨年他界してしまった祖母が広島から遊びにやって来た。横浜といえば都会というイメージが祖母の頭には強くあったらしいが、いざ、来てみれば駅から団地の入り口まで電灯すらほとんどなかった。
団地の入り口の電柱に駅前の交番の意見箱というのがあり、祖母が広島弁で、「孫のあなたらに、なにかあったらいけんと思うて、暗い道に電灯を付けて下さいと書いて入れとうた」と言った。
しばらくしてから、今思えば偶然だったのかもしれないが、意見箱のあった電柱に明るい電灯がついた。そのことがあってから、私は駅前の交番を通る度に、おまわりさんを尊敬の眼差しで見たものだった。

母が、「ここは、いずれショッピングセンターやデパートができて、大きな街になるのよ」と言ったが、私は本当かなと思っていた。母も私も、デパートという響きに惹かれるものがあった。
「バーズがオープンすんだって」新聞の折り込み広告を見て姉が言った。「バーズって何?」私が聞き返すと、「駅前にできるお店の名前よ」と教えてくれた。バーズなんて変わった名前だけど、なぜ、バーズとついたんだろうと、近くで新聞を読んでいた父に聞いても、台所の母に聞いても、わからなかった。
私が小学校に入学してしばらくたった頃、母が近所の人から聞いてきたらしく、「バーズの名前の理由がわかったわよ!」と言った。母によれば、港南台には、これから多くの団地ができ、それらの名前は全部鳥の名前で統一される。だから、英語でバーズと読むそうだ。英語などわからない小学生の私は、説明されてもなんとなくしか理解できなかった。
今、聞くと、「へえー」と妙に納得でき、遊びに来た友人に話のねたにすることもある。しかし、実際のところはどうなのか確認したわけではないので、この妙に納得できる話を私は今も信じている。

母が言ったとおり、いろいろな鳥の名前がついた団地が建ち始めた。だが、今の南部病院と214ビルが建っている場所は、しばらく駅前の発展から取り残されたように、しかし、子供の私達には都会にぽつんと残されたオアシスのような空間だった。そこは、これといって何もない空地だった。
だが、かなりの広さがあり、自転車で走りまわったり、大雪が降った次の日などは、だれも足跡をつけていないまっ白な雪のキャンバスに、長ぐつでウサギの絵などを書いた。だれの足も踏み入れられていない場所に、自分が一番最初に入れるうれしさは、小さかったけれどよく覚えている。そのためには苦手な早起きもした。時には、野ら犬も出没したりした。夕日といっしょに赤く染まった富士山も少し土手になっていた空地からはよく見えた。

現在そんな場所に、その時には想像もできないような大きな病院と、ビルが建っている。そして、今、私は娘といっしょに昔駅までの道を歩いたように、病院の前を通って買い物にでかけている。その時は、結婚してこの街に住み、娘を育てる自分の姿など、これっぽっちも頭の中にはなかった。
今の港南台は、子育てをするにはとてもよい街である。そう実感している。緑や公園も多く、学校や病院、銀行、ショッピング、どれをとってもとても便利だ。こんな便利な場所に住んでしまうと、なかなか他の土地に住めなくなってしまうのではないかとさえ、思えてくる。

小さい頃から、「おでかけ」から戻って来て、港南台の駅に降りると、本当にほっとして、帰ってきたのだという安心感があった。昔、母に背負われたまま、眠ってしまったような、ぬくもりのようなものを感じた。
この街といっしょに成長してきた自分が、この街で子供の成長を見守っている。ごくあたりまえの毎日を過ごしている中で、今、初めて親の気持ちが少しわかるような気がする。

いつか、この街から出ることもあるだろう。
しかし、ここ港南台は私にとって親のぬくもりを感じる街、そう、ふるさとなのだ。



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